ロサンゼルスで開催された東日本大震災の追悼集会

2012/03/15

東日本大震災から1年が経過し、3月11日には、アメリカでも各地で追悼式が行われた。ロサンゼルスでも、ロサンゼルス市警察本部で「3月11日・追悼集会」が開催された。
司会は、アメリカの4大テレビネットワーク「ABC」の日系人アナウンサー、デイビッド・オノさん。彼は、1年後の被災地を訪れて現状を報告し、東日本大震災で救助活動を行ったロサンゼルス郡消防署の都市型捜索救助部隊、消防指令長のラリー・コリンスさんに、この大惨事から学べることについて会場でインタビューを行った。
「ロサンゼルスは、津波は起こらないとされていた街です。それが、起こるかもしれないに変わり、今では、津波は起こると断言されています」。そこから津波による水害区域を予測したり、非難区域を記した津波撤退マップをウェブサイトで作成したり、津波警告音声システムの設置を検討するなど、日本から学んだことを伝えた。
最後に、ロサンゼルスからボランティアに携わった8人のパネリストによるパネルディスカッションが開催。ディスカッションでは、今、被災地で最も求められていることが討論された。
昨年6月に被災地を訪れた精神科医のアキラ・クガヤさん。通常、震災から3ヶ月が経過したころが、心の問題が表面化しやすい時期だといわれる。ある女性のカウンセリングを行ったところ、女性は「トイレの水を流す音が津波の音に聞こえて、トラウマになっている」という。
ロサンゼルスに居住する南カリフォルニア日米協会理事長、マサコ・タナカさん。しかし、東日本大震災の当日は、ちょうど被災地を訪問していた。マサコさんは津波警報を受けてから本能に従い、走らせていた車を乗り捨て、自ら走って屋根によじ登ることで生存を遂げた。その彼女も「亡くなっていく人たちや多くの遺体を目の当たりにして、それが今でもトラウマになっています」と話す。
フェイスブックなどを通じて、被災地の方々と関わりを持つサンディエゴ日本緊急事態ネットワークのサチコ・カサイさん。彼女は、被災者との会話を通じて、心のケアが必要であることを痛感するという。
このように大半のパネリストたちが、今、被災者たちにとって一番必要なことは心のニーズを満たすことだと口を揃えた。
一方で、人と人との絆の強さについても語られる。東日本大震災で人命救助に当たった消防指令長のコリンスさんは、見知らぬ人同士でチームを組み人命救助に奔走しながら、人間愛が見られることが、彼を様々な救助活動の現場へと走らせるという。
マサコ・タナカさんのご主人、建築家のテッド・タナカさんは、マサコさんと連絡が取れるまでの丸1日半、悲痛な思いを体験した。「彼女が自分にとって、どれほどかけがえのない存在かがわかった」と話し、夫婦の絆の深まりを見せた。
そのマサコさんによると、昨年3月11日に生まれた子どもたちには、愛、希望、光、心と名づけられていることが伝えられた。

失ったものは計り知れないほど大きな東日本大震災。しかし、そこから得られたものも、また計り知れないほど大きなものがあるといえそうだ。



【特派員情報】

ロサンゼルス在住 大山真理さんからの情報でした。

 

大山真理さん
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