魚セラピーで美しい足~マルタ島の旅~

2011/12/15

 地中海に浮かぶ小さな島マルタ島は1964年イギリスから独立し、1974年にマルタ共和国誕生。そして2004年EU加盟。水泳の好きな私にとって海での水泳は最大の喜びのひとつ。小さな島で一日中水泳を想像しながら島に着陸すると日々の生活の中で驚くことばかり。私のびっくり悲鳴体験をいくつか紹介しましょう。

 着陸後、タクシー乗場に行くと「まずタクシーチケット売り場でお支払い下さい」とのこと。カウンターでチケット購入するとそばにいたタクシードライバーが「お荷物を持ちましょう」と流暢な英語で話しかけ、タクシーに乗車。マルタ共和国ではマルタ語ですが英語も公用語とされ、ほとんどの人々は2ヶ国語をしゃべります。

 前払いシステムだと、たとえ遠回りされても、渋滞にあっても、時間や距離に関係なくその支払った金額で目的地まで行きますから安心です。車窓からの南国風の椰子の並木道や島独特の石灰岩造りの建物やカラフルな出窓のようなバルコニーを眺めながらこのシステムに関心。でもびっくり。

マルタ島の地図とタクシー
【マルタ島の地図とタクシー】

タクシーチケット売り場
【タクシーチケット売り場】

石灰岩で造られた建物
【石灰岩で造られた建物】

カラフルなバルコニー
【カラフルなバルコニー】

 ホテルの部屋のバルコニーから真下には一面に広がる青い地中海。まさに飛び込みたくなる心境。机の上にはさまざまな観光案内のパンフレットがずらっと並び、どれを手にとっても魅力いっぱい。しかもこんな小さな島に数件も世界遺産が存在とは。1980年に文化遺産に登録されたハル・サフリエニの地下墳墓を訪れると11月3日まですでに予約済。予約無しでは観光は無理と諦め次の観光地へ。

ホテルのバルコニーから真下を眺める風景
【ホテルのバルコニーから真下を眺める風景】
   

 世界遺産に登録されたマルタ島の首都バレッタ市街観光。街中を散策中、奇妙な看板に目が留まり、思わずシャッター。それは海に囲まれた島らしい発想「Dr.Fish Pedicure」 魚のペディキュア。どんなものか看板だけでなくお店の中を覗いてみると、お客は魚が泳いでいる水槽に足を入れ、新聞や雑誌、時にはとなり同士でおしゃべりしながらセラピーに夢中。

魚セラピーの看板
【魚セラピーの看板】

 その時私の脳裏に浮かんだのは40年前のインドネシアでのホームステイ体験。
ジャカルタでは中流程度の家で、メイド4人が毎日私の掃除・洗濯・食事から身の回りの世話まですべてし、私はまるで「おとぎの国のお姫様」気分を味わったが、反面、朝夕の洗面は至難の業。それは魚の泳いでいる水槽の水をすくって顔を洗い、歯磨きをすること。私がこわばってメイドに話すと「水が綺麗な証拠として魚が泳いでいます。水が汚れていると魚はすめないのです」と回答。

 しかし魚が泳いでいる水槽に足をつけて何が美容によいのか、しかもピラニアのような魚であれば危険だし、何の魚かしらと尋ねると「フィッシュ ガーラ ルーファ」と言れても検討もつかない。

 ホテルでのマッサージやエステの案内書にやはり「魚セラピー」もあり早速予約。フェイスマッサージが終わると次は魚でエステに挑戦。若い男性が消毒用の水の入った洗面器の中でまず私の足を洗い、低い声で「どうぞ、こちらに座って足をこの水槽に入れてください」。私は足を水槽に入れるや思わず「きゃー キャー」と叫び声。見ると私の足が魚で真っ黒になるぐらい取り付いているのです。その感触もぴりぴりまるで針に刺されている感じ、足元には親指にも小指にも魚がうじょうじょくっついて泳いでいるのです。

魚セラピー
【魚セラピー】

魚セラピー
【魚セラピー】

 動物がたくさん登場するヒッチコックのスリラー小説を思い出すかのように、私は一瞬気を失いそうになったが、そばで主人は私の悲鳴を面白がって写真を撮っているので、思わず苦笑いポーズ。女性でしたら美容のことならどんなことにでも挑戦すると思いますが、『良薬口に苦し』と言うとおり、セラピー終了後、私の今までざらざらだった足がまるで若返ったようにつるつる。古くなった皮膚をキスするように魚が食べてくれたのかしらと奇妙な感じ。でもびっくり。  翌日も世界遺産登録のイムナイドラ神殿とハジャー・イム神殿を訪れ、感動の連続。それは紀元前4000年頃に造られた巨石神殿。もしかするとそのごろからすでにボディーケアーなどのエステに魚は重要な役目をしていたのかもしれません。ここでも過去の歴史に圧倒され、またまたびっくり。

巨石神殿
【巨石神殿】

巨石神殿
【巨石神殿】

 ところで日本人として怒鳴りたくなる驚きも体験。日本人はいつも時間厳守で、例えば、新幹線が2~3分遅れても重大問題。滞在中よく公共の乗物を利用し、バス停で時刻表を探したが、そこには停車するバス名番号の表示はあっても時刻表は見当らず、しかし数分もしないうちにバスが来て、それに飛び乗ったが満員。その後もさまざまな時間帯にバスを利用したが、いつ乗ってもぎゅうぎゅう詰めの満員。人口の少ない島の人々、ラッシュアワーでもない時間帯になぜこんなにも満員なのか? しかしその満員の謎も段々と解明し始めた。

バス停(時刻表なし)
【バス停(時刻表なし)】


 最後の日は観光船で島巡り、案内書には10時、11時と毎時間出航、所要時間1時間半と記載。早速島巡りツアーに参加しようと桟橋まで急いだが、予想以上に遠く、11時を過ぎてしまった。しかし遠くにまだ船が見え、主人に早く走って船を止めるよう叫びながら、私も全速力で船まで走り、時計を見ると11時4分。でもまだ出航していなくってよかったと「はあー、はあー」息を吐きながら、やっと船上。そこにはよい席はすでにふさがっていたが、まだ空席もたくさんあり、バスと違って座れ、汗を拭きながら船が直ぐに出ると思っていると15分過ぎてもまだ出発しないので、係員に「出発は何時ですか」と尋ねると「まもなく?? しかしまだ満員でないのでもうしばらく待ってみよう」。これには魚のエステ以上にびっくりというかあきれて口もふさがらない心境。つまり満席になれば時間に左右されることなく出発。

 結局あれから30分以上待っていると確かに1人、2人と次々と増え満席となり、11時出発予定の船は約40分後に本当に出航。時計を見ると10時58分死ぬ思いで遠くに見える桟橋まで走った事が、もしもそんな習慣を知っていれば走らずゆっくり歩いても充分間に合ったと思うとばかばかしく、腹立たしささえ感じたが、あたりを見合わせても誰一人文句を言う人もいなければ、不満そうな顔つきもなく、写真を撮ったり、飲んだり、食べたり船の遊覧を楽しんでいるのです。

遊覧船
【遊覧船】

 長い人生、毎日時間に追われる生活よりも生きていることに喜びを感じ、自然の荒波との闘いに勝利を得た人々の生活の知恵かもしれません。苦悩に打ち勝った歓喜の喜び、ベートーベンの第九「喜びの歌」のメロディーを思わず口ずさみました。


             

【特派員情報】

ウィーン在住 イップ常子さんからの情報でした。

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