シリーズ「わが家のエネルギー事情」(5)
停電と断水は日常茶飯!
~イタリア~

2011/09/29

 他の先進国とほぼ同様、電気、ガスが使われています。日本と違うところをあえていえば、車はガソリンのほかにメタンガスが使えるものもあることでしょうか?
イタリアの場合、停電、断水はかなり頻繁にあります。イタリアでは古い建物を壊すことなく、直して使い続けるのですが、古い建物に無理やり後付けした電気関係や水回りの設備をうまく機能させるのには当然ひずみが起こるため、しばしば故障して停電することがあります。そしてその修理、メンテナンスや新設備搭載のための電気配線や水道管の工事をする際にも、停電や断水は起こります。ゆえに工事をしているビルやそのゾーンだけの短時間のストップが多いですが、豪雨や積雪など自然災害にも弱いので、その場合は広域に渡ったり、長時間続くこともあります。

工事がある際、ビルに出される告知
【工事がある際、ビルに出される告知】

以上のような理由で規則性はないため、正確には言えませんが、1~2ヶ月に1回、多いときは月に何度もあります。工事のお知らせが事前にあるときは、水をためておくとか、バッテリーを充電しておいたり、電池を用意して、あらかじめ準備します。でも突然ストップされることも結構あるので、そのときは文句を言いながらも我慢するしかありません。自分のビルだけの問題の場合は、友人の家で過ごさせてもらったこともあります。イタリア人は慣れているため、まったく動揺しませんが。
イタリア人は日本人に比べるとかなりのんびりしており、自然災害にも無神経(=過剰に心配したりしません)。懐中電灯、買い置きのろうそくや電池程度はどこの家にもありますが、急な災害時のための非常持ち出し袋などを用意している家庭は少ないと思います。長期のエネルギー切断、ひいては起こりうる水や食料不足のことはあまり考えていないかもしれません。
イタリアのエネルギーの価格は日本に比べて高いので、電気はこまめに消す、エアコンやヒーターは極力使わない、電力がかかる作業(例えば洗濯機を回す等)は 電気代の安くなる19時以降や土日に行う、シャワーのみにする・・・など細かいところにも気を使っているようです。また、最近ではLED電球などに変える家庭も増えてきているようです。節約のせいとも言いきれませんが、宣伝のために派手にネオンを使う店も少ないですし、店やレストランでも照明は暗め。原発問題後の現在、日本で行われているようなエネルギー節約はイタリアでは当たり前のことです。

エコバス
【エコバス】

 前出の通り、イタリアのエネルギーの価格は高いです。イタリアは資源に乏しく、日本よりもエネルギー自給率が低い国であり、その大部分を石油の輸入に頼っているため、石油の高騰の打撃をもろにうけます。例えばガソリンは現在1L=1,45ユーロ前後。

ガソリンスタンドの価格表示
【ガソリンスタンドの価格表示】

 日本でも話題になったように、イタリアでは先日の国民投票で原発開発を進めない方針を決めました。とはいえ、イタリアは近隣国であるフランスから原発によるエネルギーをかなり購入しているので、まったく原発に頼っていないとはいえないのですが。基本的には火力を中心に、太陽エネルギーなどの自然エネルギーも使われており、最近は太陽エネルギーの利用促進を謳って、ソーラーパネルの普及が少しずつ進んできました。つい最近まではソーラーパネルの設置に州からの補助金が出るところもあったようです。

イタリアで主流の温水を循環させるシステムのヒーター
【イタリアで主流の温水を循環させるシステムのヒーター】

【特派員情報】

イタリア・ミラノ在住の田中美貴さんからの情報でした。

田中美貴さん