キプロス島は神話の島

2011/07/21

 地中海に浮かぶキプロス島は長い間イギリスの植民地だったため、ヨーロッパでは珍しく、日本同様に運転は右ハンドル。南国の香りいっぱいのラルナカ国際空港到着後、レンタカーを借りて、まずホテルへ。途中の高速道路ではさすがイギリス領だっただけにギリシャ語のみならず、すべての標識など英語で書かれ、右ハンドルのギャップにかかわらず(オーストリアは左ハンドル)道順など分かりやすく表示され、とても運転しやすく、その上レンタカーはナンバープレートが他の車と違って赤なので地元のドライバーたちはそれぞれ配慮して走ってくれている感じでした。

レンタカー        ホテルから見下ろす海
【レンタカー】                    【ホテルから見下ろす海】
ギリシャ語と英語の標識
【ギリシャ語と英語の標識】

 キプロス島は正式にはキプロス共和国で大統領制ですが、島は約70パーセント以上がギリシャ人そして約30パーセントぐらいがトルコ人で、島もそれぞれ2カ国に分離され、トルコ領に買い物に行くにも、パスポートコントロールがあります。
9000年の長い歴史を理解しない限り、現在だけ語っても中々想像しにくく、ましてや数日間ぐらいの滞在観光客には政治的なことなど理解しにくいと思います。首都ニコシアには城壁があり、城壁内も北キプロスと南キプロスの南北を隔てる境界線(グリーンライン)には国連キプロス平和維持軍が監視しています。一歩足を踏み入れると南北の生活水準の違いがはっきりと伺えます。また言葉もギリシャ語からトルコ語、看板も店も街の雰囲気は全く異様なぐらいです。

南北グリーンライン
【南北グリーンライン】

 街中の散策を終えるとまずは島巡り。車窓からの風景、島は1年のうちの300日以上が晴天で、雨が降らず水不足。草木も枯れ、はげ山のように土もからから、乾燥しきっている感じですが、反面海岸べりは澄み切った海、打ち寄せるさざなみ。海に浮かぶ大きな岩などの景観は最高です。
 キプロス島は古代ギリシャや旧約聖書にも名前が登場するように、ギリシャ神話にでてくる神々のエピソード、また神殿跡のモザイクなどは世界遺産に登録されているほどです。
 ボッチェリ作の名画「ヴィーナスの誕生」またルーブル美術館にある「ミロのヴィーナス」など女性なら誰しもが憧れの的である美人のシンボル・ヴィーナスですが、そのヴィーナスは実はキプロス島で誕生したのです。ギリシャ神話ではアフロディッデと呼ばれ親しまれています。

アフロディーテが誕生した海岸  アプロディーテ誕生の地ペトラ・トゥ・ロミウ(ギリシア人の岩)  
【アフロディーテが誕生した海岸】        【アプロディーテ誕生の地ペトラ・トゥ・ロミウ】

 オリンプスの神々の中で最も美しい女神は世界一の美女です。その美女の女神とは大変エロチックで神々の心を奪いそして永遠の生命を持っているのです。 古代最古のギリシャ神話の中ではクロノスは母親の敵を取るため自分の父親を殺し、彼の性器の一部を切り取って海に投げると、突然その波の泡から後光のさすような美人の女神が現れ、白い貝の上に立っていたと伝えられています。

アフロディーテの頭像        アフロディーテの像バック
【アフロディーテの頭像】                  【アフロディーテの像】

 西の風が吹き、女神はパフォスの海岸で女神としてあがめられ、別名チプリスと呼ばれ、他の神々の中では大変な人気者になり、アフロディッテは多くの神々と様々なエロチックな冒険をしています。彼女が最も愛した神は軍神アレスです。アフロディッテは火神ヘヴァイストスと結婚しましたが、彼女は夫の目を盗んで、軍神アレスとの恋仲に陥るのです。その2人の間に誕生した子供たちがハルモニア(調和)ディモス(恐怖)フォヴォス(恐慌)そして愛の喜びまた愛の悩みの両方を持っているエロスです。エロスはいつも美人の母アフロディッテと一緒でしたので、多くの絵画や群像などでも必ず2人が登場しています。

 アフロディッテに関するエピソードはたくさんありますが、その一つ、アドニスはアフロディッテに恋をし、2人は仲良く暮らしていましたが、ある日アドニスは狩に出かけ、いのししに咬まれて死んでしまったのです。アドニスの体からあふれ出た血は美しい薔薇となり、そしてアフロディッテはアドニスの死を大変悲しみ、その涙がアネモネになって咲き始めたのです。これは半年間地上で咲いている花々のシンボルです。秋から冬にかけて花々は枯れ半年間は土の中で、そして春になるとまた美しい花々が野原に咲き乱れるのです。永遠に続く2人の愛の物語です。

 アフロディッテが白い泡から誕生したと伝えられています海岸べりにある大きな岩の後ろには真っ白い泡が大波に揺られ、岩いっぱいに打たれています。美人アフロディッテの伝説の島キプロス島。地中海に浮かぶ小さな島ですが、ギリシャ神話や歴史がぎっしり。2004年にEUに加盟、ユーロも2008年から導入され、今では美人のお陰でその海岸べりにはお土産屋や駐車場があり、観光バスや観光客で賑わっています。いつの時代にも美人のエネルギー力は繁栄と未来への希望をふくよかにさせるものでしょうか。

【特派員情報】

ウィーン在住 イップ常子さんからの情報でした。

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