シリーズ「世界の泥棒」(7)
カメラを盗んだ犯人はその場で射殺された
〜コロンビア・シウダ・ペルディーダ〜

2010/12/28

 コロンビアのシウダ・ペルディーダ遺跡で盗難に遭った。シウダ・ペルディーダとは、スペイン語で失われた都市という意味。最寄りの村から遺跡までは徒歩でしか行けず、トレッキングで往復1週間かかる。実はこの遺跡には頻繁にゲリラが出る。つい数ヶ月前にツアー1団8人ほどが遺跡内で誘拐されたばかり。しかし、事件直後は警備が強化されることもあり、またさらに誘拐されることはないだろうと判断し、ツアーに参加したのだった。
 盗難の手口は、枕元においた荷物の中から現金を抜くというありふれたものだったが、変わっていたのはその後の捜査。コロンビアでは場所によって、警察、右翼、ゲリラとその地域を取り締まる団体が異なる。盗難事件を調べに来たのは、なんと右翼。遺跡は右翼の管轄にあったのだ。結局、犯人は見つからずじまいだったのだが、以前、外国人観光客からカメラを盗んだ犯人が見つかったとき、右翼はためらうことなくその場で射殺したそうだ。その話を聞いて、犯人が見つからなくてよかったとほっとした。失われた都市で失われた現金。しかし、ゲリラの誘拐や右翼の私刑に比べれば、泥棒くらいは可愛いもんだ。

 ところで、コロンビアではバイクの二人乗りは法律で禁止されている。なぜなら二人乗りバイクで車を襲う強盗が頻発しているからだ。バイクの後ろに乗った人は、走行中でも車に向けて銃を撃てる。だから、コロンビアでは二人乗り=強盗と見なされるのだ。

シウダ・ペルディーダ遺跡
【シウダ・ペルディーダ遺跡】

シウダ・ペルディーダ遺跡
【シウダ・ペルディーダ遺跡】

 

【特派員情報】

片岡恭子さんのコロンビアでの盗難体験でした。
 

特派員の片岡恭子さん 1968年、京都府生まれ。同志社大学文学研究科修士課程修了。
スペイン留学後、3年に渡って中南米を放浪。現在は都内在住ながら、足繁く現地取材を行っている。2010年現在、42カ国を歴訪。中南米とフィリピンを得意とする"秘境者(ひきょうもの)"として活躍中。

カジュアルプレス社『月刊リアルゴルフ』:「片岡恭子の海外をちこち便り」

ブログ:『秘境散歩』