シリーズ「世界の泥棒」(4)
ブリュッセル南駅は、ぬすっとの天国!!
~ベルギー・ブリュッセル~

2010/12/02

ブリュッセル南駅は、ヨーロッパを縦断する高速列車の発着駅。ロンドン行きのユーロスターも、パリ・ケルン・アムステルダム行きのタリスも、この駅から出る。地元通勤列車と違い、ややリッチでスキだらけの乗客が、ウキウキ、うろうろ、うようよ歩くホームは、ぬすっとのパラダイスらしい。
タリス(右)とユーロスター(一番左の銀色)が並ぶブリュッセル南駅ホーム
【タリス(右)とユーロスター(一番左の銀色)が並ぶブリュッセル南駅ホーム 】
休暇中のホーム
【休暇中のホーム】
乗り込みのごった返し
【乗り込みのごった返し】
荷物を棚に
【荷物を棚に】

日本から訪ねてきた旧友とパリへ小旅行に出かけた時のこと。夢中で昔話をしながらホームへ。切符を片手に車両を探して乗り込み、席を探す。すぐ後にアラブ系の男性がついてくる。私達がぐずぐずしてて、迷惑かけちゃったかしら。すると彼は後ろの席に入り込んだ。手荷物を座席に置き、カバンとコートを棚に載せ、よいしょと腰掛けた。いよいよ発車。ホイッスルもチャイムも鳴らないまま、電車はスーっと動き出す。気がつくとあの男性はいない。そういえば発車間際にあわてて降りた人がいた・・・これが「あのとき」の記憶。パリ北駅に着き、メトロの切符を買おうとして気づく。「お財布がない!」。パリまで1時間強。その間に、キャッシュはすっかり抜かれ、カードは使われ三昧、お財布はそのままゴミ箱へ。警察も大使館も「またタリスですか」と驚く様子もない。

ヨーロッパの鉄道には「改札」はない。だから、誰でも列車内まで乗り込める。特にグループの異国人が標的らしい。経験豊かなツアーの添乗員も、シカゴ在住の友人達も、東京から来ていた親友夫婦も、あっけなくやられてしまったブリュッセル南駅のタリスホーム。
写真を撮ったこの日は、娘を連れてパリへお出かけ。一度やられているだけに、独り者の男性は皆ぬすっとに見えて、ビクビク、ピリピリ、気が抜けない。撮影に気をとられて、ほんの一瞬座席に置いたバッグから、またもや、あっさりやられてしまうかも・・・ローティーンの娘ではそれを予知して守ることは不可能だ。

セキュリティマンの多い駅構内
【セキュリティマンの多い駅構内】

この手口のぬすっとの多さに閉口してか、最近パリ北駅側では、タリスの各車両の乗り口に職員が立って指定席乗車券をチェックしてからしか乗せなくなっている。

パリ北駅では指定席の確認
【パリ北駅では指定席の確認】

【特派員情報】

ベルギー・ワーテルロー在住の栗田路子さんの盗難体験でした。

特派員 栗田路子さん 神奈川県生まれ。上智大学卒。夫の急逝後、渡米し、米国コーネル大学およびベルギー・ルーヴァン大学にてMBA(経営学修士)取得。再婚し、二人の養子とともに、ベルギー在住。ベルギービール日本向け輸出に従事。現在は、セミ・リタイア宣言し、寄稿や執筆、日本のメディアのためのリサーチやコーディネートなどを請け負っている。ベルギービールの他、教育、医療、障害児など、守備範囲は広い。 夫とともに(株)マルチライン経営の他、コーディネータースクラブ・ベルギーを運営。
障害孤児の養子縁組を支援するチャリティ「ネロとパトラッシュ基金」を運営。
障害を持つ子供と供に赴任する日本人駐在員をサポートする「元気ママの会」も主催。 寄稿を貼り付けたブログSlow Lifeで発信中。