フィンランドの公園おばさん

2010/09/30

フィンランドには「公園おばさん」というサービスが存在します。文字通り、「公園」で子ども達を「おばさん」に託して、ママ達はお買い物や息抜きに出かけることが出来るのです。フィンランド全土にあるサービスではありませんが、首都ヘルシンキではもっと盛んな制度です。私が住んでいるケラヴァ市(ヘルシンキから北へ30キロ)には数年ほど前までは無かったのですが、突如市がやる気を出した模様。ケラヴァ市内で一番メジャーな児童館の庭(公園のような砂場やブランコなどの遊具がついている)で、月曜と火曜の9時半から11時半までの2時間、市の公共サービスとして“無料”で預かってもらえます。ケラヴァの公園おばさんはこの一箇所だけ。事前に児童館に問い合わせて、電話予約をする必要があります。

市の幼児向け施設で2~3歳児を預かってくれる公園おばさん
【市の幼児向け施設で2~3歳児を預かってくれる公園おばさん】

一方、市内に60個以上も公園がある首都ヘルシンキでは、16か所で公園おばさんのサービスが運営されています。ヘルシンキでは公のと個人で運営しているものと両方があり、サービスの曜日や時間帯や料金体系なども公園によってまちまちです。一つの例を出すと、ヘルシンキ市が雇っている公園おばさんの場合、月、水、金の9時半から12時までの2時間半で10ユーロ、個人の場合だと、月曜日から金曜日までの9時半から12時までで一カ月80ユーロ、一時間5ユーロだそうで、有料の場合が多いようです。ヘルシンキの場合、電話予約は公園おばさんに直接します。公園に問い合わせると、公園おばさんの携帯電話の番号が教えてもらえます。

公園おばさんのサービスは、家で育児をするお母さん達の強い味方です。一瞬ママと離れることで、子ども達が保育園に入園する前の練習にもなります。我が家の2歳半の次男は、9月から毎週月曜日に通い始めたのですが、3回目にしておばさんとすっかり仲良しになりました。

公園おばさんの術中にはまる私の友達の息子
【公園おばさんの術中にはまる私の友達の息子】

ちなみに、ケラヴァ市の場合、公園おばさんになるのに特別な資格は必要ではありません。が、誰でもというわけにはいかないので、保育士の資格を持っている人、保育士を目指して勉強したことがある人、あるいは育児経験のある人などと多少は「子ども」を良く知っている人である必要があるそうです。我がケラヴァ市の公園おばさんは、現役の保育士さんで、月、火とこの児童館の庭に通ってきており、彼女自身は三人の子どものお母さん。そして先週から、おばさん修行に保育士を目指している女子学生達も手伝いに来るようになりました。

そんなことを根掘り葉掘り聞いてくる私に、公園おばさんは……「もしかして、あなたも公園おばさんになりたいの?」って、トンデモナイ!私はやっと週に一度、育児から解放される2時間を確保したばかりです!!

安全な広い砂場、おもちゃは公園共同のものをみんなで使います(後ろでマイペースにショベルカー遊びをしているのは我が次男です)
【安全な広い砂場、おもちゃは公園共同のものをみんなで使います】
(後ろでマイペースにショベルカー遊びをしているのは我が次男です)

【特派員情報】

フィンランド在住 靴家さちこさんからの情報でした。
 

フィンランド在住 靴家さちこさん

靴家さちこ/KUTUKE SACHIKO
フィンランド在住ライター/ジャーナリスト。
共著に『ニッポンの評判』(新潮社)、『住んでみてわかった本当のフィンランド』(グラフ社)など。
ウェブサイト:From Kutuke