処方箋なしで薬が買えるペルーの薬局

2010/09/02

リマの至る所にある薬局「botica(ボティカ)」。医薬品から日用品や化粧品、衛生用品、サプリメントまで幅広 く取り扱っており、大手チェーンでは24時間デリバリーサービスを行っているところもあります。夜中の発熱など急を要する時にも電話一本で解熱剤を届けてくれるので、とてもありがたい存在です。

ペルーのみならず南米各地に展開する大手薬局
【ペルーのみならず南米各地に展開する大手薬局】

特筆すべきは、薬の購入に際し医師の処方箋が不要なことでしょう。市販薬は当然ながら、日本における要処方箋薬でさえ気軽に売ってくれるのです。もちろん場合によっては「ちゃんと医師に相談したほうがいいですよ」というアドバイスをするのでしょうが…。日本の医師や薬剤師が聞いたら腰を抜かしかねない大胆なシステムですが、ここペルーは貧富の差が激しく、病院の診察費もままならない人が大勢います。処方箋なしに薬が手に入るというのは、ペルーのそうした実情に即しているのかもしれません。

24時間デリバリーサービスの専用ダイヤルも
【24時間デリバリーサービスの専用ダイヤルも】

こうした気軽さから、私自身もつい薬局に頼ってしまいます。しかし病気のたびにいつも同じ薬を処方されるとは限りません。以前、風邪で扁桃腺が腫れた時に薦められた薬は今まで飲んだことのないものでした。問題ないだろうと購入し薬剤師の指示通りに服用したところ、一晩中激しい腹痛に襲われ、うんうん唸る結果となってしまいました。

今回薦められた喉の炎症に効くという薬
【今回薦められた喉の炎症に効くという薬】

後日、その薬の成分を調べてみると、「ナプロキセンナトリウム」であることが分かりました。消炎、鎮痛、解熱などに効果があり、日本でも市販薬・処方箋薬両方に使用されています。日本の市販薬における同成分の含有量は1錠あたり100~220mgで、大量に摂取する場合は医師の診断が必要とのこと。しかし今回私が飲んだものにはナプロキセンナトリウムが1錠あたり550mgも含まれており、明らかに摂取過多だったようです。この薬にはまれに胃腸障害や腹痛・胃痛・胃部不快感といった副作用があるそうですが、まさにその通り。あの時は一晩中苦しみましたが、ショック症状などが出ず助かりました。

裏にはNaproxeno Sodico(ナプロキセンナトリウム)550mgと明記してある
【裏にはNaproxeno Sodico(ナプロキセンナトリウム)550mgと明記してある】

在ペルー日本大使館の医務官の先生も、「ペルーはどんな薬も処方箋なしで買える世界でも珍しい国です。そしてそれはとても危険なことです。」とおっしゃっていました。確かにその通りで、一歩間違えればもっと激しい副作用があったかもしれません。「飲む前に必ず薬の成分を調べている」と言う友人もおり、私もこれからは注意しなければと思っています。

しかし、ただでさえ難しい薬の成分を、熱で朦朧としている時に調べることができるかどうか甚だ疑問ですが…。やはり健康が一番ですね。

【特派員情報】

ペルーの首都リマ在住 原田慶子さんからの情報でした。
 

ペルーの首都リマ在住 原田慶子さん
Website:keikoharada.com
Blog:ペルー片道切符