イギリス人は「お化け」が大好き!

2010/08/19

ロンドンと言えば「霧の都」またテムズ河にかかるタワー・ブリッジなどご想像なさると思いますが、このテムズ河をテーマとした怪奇なエピソードは今でもたくさんあります。今回はロンドンから不気味なホットニュースをお届けします。

ロンドンと言えば、テムズ河にかかるタワー・ブリッジ
【ロンドンと言えば、テムズ河にかかるタワー・ブリッジ】

ちょうどホテルがロンドンブリッジ地下鉄駅近くでしたので、よくここの地下鉄駅からバッキンガム宮殿やトラファルガー広場などへ出かけるとき利用しました。

 滞在中、何度も何度も通過した駅付近の裏通り,そこは1日中いつ通っても長い列が続いています。最初は気にも留めませんでしたが、いつも長い行列に何かしらと関心をもち、近づいて見ますとそこは何と『お化け屋敷』。入り口には不気味なデザインで松明がぼうぼうと燃え上がっています。

いつ通っても長い列が続いている『お化け屋敷』
【いつ通っても長い列が続いている『お化け屋敷』】 不気味なデザインで松明が燃え上がる入り口
【不気味なデザインで松明が燃え上がる入り口】

しかし何度となくそこを通過するたびに、不思議にも入場してみたく、今度は入場時間などチェックのため、入り口付近まで近寄ると、まるで今にも墓場から這い上がってきたかのようなメイクアップと衣装の係員が目の前に現れ、問い合わせるのも怖いぐらいの不気味さを感じましたが、勇気を出して話しかけてみました。

墓場から這い上がってきたかのようなメイクアップ
【墓場から這い上がってきたかのようなメイクアップ】 問い合わせるのも怖い、不気味さを感じる係員
【問い合わせるのも怖い、不気味さを感じる係員】

 入場料も高く、しかも最低1~2時間待ちということで、諦めかけたが、なぜか心が引かれ、その夜主人が同伴してくれると言うことで、1時間以上待ってやっとその『お化け屋敷』に入場。

1時間以上待ってやっと『お化け屋敷』へ
【1時間以上待ってやっと『お化け屋敷』へ】

 そこは私の子供時代、両親に連れられて出かけた日本の「お化け屋敷」や子供たちを連れて出かけたウィーンの遊園地にある「お化け屋敷」とは比較にならない位の雲泥の差のものだったのです。

 その『お化け屋敷』とは不気味さどころかどの部屋も当然薄暗く周辺には蝋人形で出来た残酷なシーンも見られますが、各部屋での様々な体験、ガイドの説明と実技・実演あるいはビデオやスクリーンから流れる残酷なシーンなど様々なアクションが次々と、しかも2時間以上もスリル満点のサスペンス。これでは行列も途絶えることはないでしょうと怖さにもかかわらず反面関心したものです

どの部屋もスリル満点のサスペンス・・
【どの部屋もスリル満点のサスペンス・・】

 それではいくつかの部屋をご紹介しましょう。
 まず最初は迷路。鏡に映る自分の姿と他の風景に自分は一帯どこに連れ込まれたのだろう。もしかすると同じところをぐるぐる周っているのではと不安はつのる一方。すると、急に誰かが肩をぽんと。思わず振り向くとフードをかぶった僧侶のような衣装の係員が、「私が道案内をしましょう」と低い声で。そして彼の後を怖そうについて歩くと。。。。。

  そこはロンドンの17世紀ごろの刑務所です。聴衆(つまり私たちと同じ観光客)の中から若い男性が一人選ばれ、椅子に座らせ、手には手錠を、足は重い鎖でつながれます。そこへ刑務所の係員が来て、当時の残酷な刑務所について説明。聴衆の前で舌を抜く器具、まるでイエス・キリストの茨の冠ではありませんが、頭を締める器具など様々な器具を見せ、まずは先ほど抜いた舌だといってまだ血が滴るようなものをみせ、それではこれから彼の舌も抜くぞといって瞬間的に部屋を真っ暗に、そして暗闇の中に彼の悲鳴が聞えるのです。

 次の部屋はやはり200年前ぐらいの理髪店。各部屋でのガイドはそれぞれのシーンに相応しいメイクと衣装で演技抜群。ここでは散髪のため、白衣を着た理髪師が鏡の前の椅子に聴衆から一員を探し、座らせようとしています。しかし彼らも何室かで椅子に座って怖い体験をしたので、誰一人近寄らないのです。すると部屋は真っ暗になり、今度は聴衆の立っている後ろから声が聞え、誰かが私の髪を引っ張るのです。思わず「キャー」と悲鳴をあげると反対側では首を切られたその悲鳴。するとその血が四方八方に飛び散り、私の手にも。部屋が少し薄明るくなると白衣は血で染まり、生首が・・・飛び散った血は実は水で、まるで血が散ったかのように観客に撒くのです。幸い英語が母国語でないだけに言葉からの説明ではあまり、怖さを感じませんが、実演と体験だけでもひやひや。

今度は立派なホール。裁判所での判決のシーンです。ここでも裁判官と被告人との会話。小さな子供がスリをしたということ。またある男性は女性を襲ったなどでその判決が下され、聴衆もそれに対してわいわいがやがや。どこまでが演技なのかどうなのか。言葉が分かればもっとエンジョイ、いや言葉が分かればもっともっと不安と不気味さと残酷さを感じたことでしょう。

その判決の結果、次の場所はロンドンのある広場。周辺には聴衆つまり私たちですが、その真ん中には薪がたくさん積み上げられ、これから火あぶりの刑が始まるのです。また先ほどの女性を強姦したという男性が薪の間に立っている一本の大きな木に縛り付けられます。そこでも聴衆に向かって、火あぶりの刑にすべきかどうかと尋ねます。すると聴衆は「焼け、焼け」と叫ぶのです。すると一斉に火が薪に燃え始め、暗闇の中、ぼうぼうと燃えあがります。終わるとそこには真っ黒に焼き焦げた死体から目がポロンと転げ落ちました。

 まだまだ不気味なシーンは続きます。次は薄暗い港からある島へ流刑。全員ボートに乗せられ、うすぐらい牢獄のようなところをボートで、その途中は生首や残酷な死体などがところどころスポットライトに照らされ、そこからもうめきや不気味な手足が伸びたり、船に座っていてもひやひやの連続。しかもそのボートも遊園地のジェットコースターのように早く進んだり、ゆっくり進んだり、また急にバックで動き始めたり乗っているだけでも汗たらたら。

船からやっとのおもいで降りるとそこは両サイドどちらをむいてもビデオなどで残酷なシーン。1888年ロンドンで起きた大事件。殺人鬼切り裂きジャック。売春婦が刃物で無造作に刺されるシーンです。内臓を取り出すシーンなど画面には過激な流血。犯人は未だに謎に包まれたままだとか。

画面が変わると名探偵あなたが決める犯人探し「さて犯人は誰でしょう」と犯人らしき医者など数名の写真が張り出され、ちょっとしたクイズ。その謎を解明するには次の部屋へ。部屋はまだまだ続きます。

最後に、相当怖さに耐えてきたと思う人にも次の部屋から聞える悲鳴が恐怖感を。キャー・キャーの生声には誰だって不安どころか,もう体力にも限界。その上、次の場所は「最後の審判」天国か地獄か!!!・・・ここでちょっと妙な張り紙が目にはいりました。「最後の部屋は怖さや体力に自信のない方は入場しないで、こちらのドアにお進みください。」

もうこれ以上は参加できない。私の体力も限界だ」と思ってそのドアに進もうとすると、「地獄には落ちないから最後の部屋に挑戦しよう」と主人が私の手を引っ張って、無理やり不気味な部屋に誘われました。

 そこには椅子があり、全員その椅子に座ります。すると上から手すりのようなものが落ちてきて身動きできなくなり、足も地上から段々段々離れ、上へ上へとどんどん上がります。どこまで上がってゆくのだろう。薄暗い部屋で何も見えず、下を振り向くとただ目の前にあった机がまるでお人形の机のように小さく見えるだけです。主人の手を一生懸命握って、怖さで目も開けられません。すると急に目の前には長いカールのついた髪鬘に立派なガウンをつけた3人の審判が現われ、しわしわ声で、「お前たちは全員地獄へ突き落とす」と叫ぶやいなや急速で落下。その瞬間皆ざわめき、キャー・キャーの悲鳴。まるで地獄に落とされたと感じざるをえない。たとえショーだと分かっていても瞬間的にはその怖さで誰しも恐怖感を感じたことでしょう。

 これは遊園地にある落下傘の器具が設置されています。このように各部屋でのガイドの説明と係員のメイクと衣装。ボートや落下傘などの乗り物。誰かが髪を引っ張るように実体験、昔の医学解剖の所では、内臓を取り出すシーンなどの時には生臭い異様な悪臭が部屋全体広がるのです。また血が飛び散るシーンでは実際に水を撒いたりしますので、誰でも何かが飛び散ったと皮膚で感じます。裁判所では出演者と観客が一帯となってアドリブショーを始めたり,各部屋ごとの内装から操作や設備など、かなり多方面にわたって凝っているのには今までのお化け屋敷とは比較にならない創造性豊かな人間の五感にスポットを当てた、ある意味で大変価値あるものです。

 2時間以上も薄暗いところからやっと地上に出、街を歩くと、ロンドン初日真っ先に乗った大観覧車「ロンドン・アイ」から眺めたモダンな建造物が立ち並ぶロンドンの印象ではなく、何百年に渡るロンドンの暗い歴史。ヨーロッパ中を襲ったペスト、1666年のロンドン中での大火。宮殿での残酷な死、未決の連続殺人など未だに霧に包まれたような薄暗い影が彷徨っているかのようです。

【特派員情報】

オーストリア・ウィーン在住 イップ常子さんからの情報でした。
 

大観覧車「ロンドン・アイ」の中で










【追加情報】

本記事で紹介しているお化け屋敷「ロンドン・ダンジョン」の公式サイトは
こちらです。(世界それホント?会議スタッフ)