アイルランドの男の伝統 海藻風呂

2010/06/03

北海道ほどの小さな島国アイルランド。
この国には何世紀も前から伝わる伝統療法がある。「シーウィードバス(Seaweed Bath)と呼ばれる「海藻風呂」がそれだ。
海藻風呂はその名の通り、熱い湯で満たされた浴槽にたっぷり海藻が入ったもの。「海藻風呂」なんて聞くと、なんだか美容に敏感な女性に人気の“スパ”的な響きがあるが、実はこの海藻風呂はその昔、海から疲れて戻った漁師たちの疲労回復を目的として使用されていたものなのである。特に北西部で採れる海藻が上質のため、体の疲れやこり、怪我、筋肉疲労によく効き、実際このあたりの地域には海藻風呂小屋も多くあったのだとか。また、この海藻風呂は関節の痛みなどを和らげる効果もあるため、リューマチや関節炎などに苦しむ高齢者たちもよく訪れていた。

熱い湯をはった浴槽に入れられた海藻は、時間が経つにつれ褐色に変わってゆく
【熱い湯をはった浴槽に入れられた海藻は、時間が経つにつれ褐色に変わってゆく】

こうして元来漁師や牧畜業といった、肉体労働者たちのために始まった「海藻風呂」なのだが、健康志向になった人々が昨今増えたこともあって、再び注目を浴びるようになってきた。伝統的な海藻風呂が“現代風”になったとはいえ、その<シンプル&ワイルド>なやり方は今も変わらない。
フレッシュな巨大海藻を熱いお湯に惜しげもなくどぼんっと入れ、その中にゆっくりと自らの身を浸す――といった大胆なリラクゼーション法は同じである。 海藻風呂用として、Fucus serratus(フカスセラツス)と呼ばれる褐色の藻類が使われるのが一般的
【海藻風呂用として、Fucus serratus(フカスセラツス)と呼ばれる褐色の藻類が使われるのが一般的】

海藻にはミネラルや硫黄分がたっぷりと含まれており、湿疹肌・乾燥肌などもつるつるすべすべにしてくれる。海藻のぬるっとした感触は、豊富なエッセンシャルオイル成分のためで、これも肌や髪にとても優しいのだとか。
海藻スパの効能は上記の他に、体の中の有害物質や余分な水分を排出するデトックス効果もあるというのだから、海藻スパの効能の多さに驚かされる。それに青く広がる大西洋から採れた潮香のする海藻とともに、のんびり湯の中にいることによる癒し効果もありそうだ。(入浴する自分が味噌汁の「具」になったような気分になることがあります)
アイルランドの男たちの伝統と知恵は、こうして現在も生き続けている。 海藻風呂用として、Fucus serratus(フカスセラツス)と呼ばれる褐色の藻類が使われるのが一般的
【海藻風呂用として、Fucus serratus(フカスセラツス)と呼ばれる褐色の藻類が使われるのが一般的】

【特派員情報】

小島瑞生さんからの情報でした。

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