オーストリアの免許証~一度取得すれば一生更新なし!~

2010/04/01

日本ではきっと想像し難い。「いや、それほんと」と必ず言われるものにオーストリアの免許証があります。実は今から37年前の話です。新婚当時、新車でよくドライブしましたが、主人はスピード違反でしばしば警察に捕まりました。警官は「あまりスピードを出さないように」とニッコリ笑って免許証を返してくれたのが今でも思い浮かびます。そのとき、こちらの交通制度はあまり厳しくなく私でも運転できるかなーと感じたものです。

1975年日本大使館から「日本の免許証をオーストリアの免許証へ切替え手続きについて」という知らせを頂き、早速その手続きを済ませ、オーストリア免許証を取得。以来毎日その免許証で今も運転しています。

奥様の免許証 (20歳代の時の写真)
【奥様の免許証 (20歳代の時の写真)】

実はオーストリアには一度免許証を取得すれば、更新はなく一生ものです。またこの最初の免許証を保持していると言うことは長い間安全運転で免許証を取りあげられなかったことを証明します。万一交通違反を起こせば新らたに免許を取り直すことになり、新しいデザインのカード式免許証を持つことになります。

2032年に免許証がカードになるという告知記事
【2032年に免許証がカードになるという告知記事】

よく日本の方から「警察が取り調べるとき、そんな古い写真で通用するのですか」という質問を受けますが、警察では偽造か実物かなど第6感で判断されると言うことを聞いたこともあります。また警察ばかりではなく、ちょっとした身分証明に免許証を使用する場合もありますが、係員は写真ではなく発行元や登録番号を記載しているのです。

ご主人の免許証(18歳の時の写真)
【ご主人の免許証(18歳の時の写真)】

実はオーストリア国内でも古いピンクの免許証はまもなく無効となるという噂が広まりましたが、このピンクの免許証は写真にしてお送りした記事にも書かれていますように2032年まで有効です。私も主人も切替えることはないでしょう。もちろん新しいカード式免許証を希望すればいつでも可能ですが、その手続きには時間と経費がかかります。この古びたピンク色の免許証を見るたびに主人も私もこんな若い日があったのかと過ぎ去った日々が懐かしく、時の流れの速さを感じます。

現在のご夫婦(ご主人は66歳)
【現在のご夫婦(ご主人は66歳) 】

最後にオーストリアの交通情報をお知せします。1950年ごろから統計的に発表されていますが、2008年の交通事故発生は39,173件、交通事故負傷者など50,521件、死亡者は年々減少し679人です。1972年ごろは何と死亡者が2948人と多く、以来交通法規がかなり改善され、高速や国道なども完備されています。

交通事故の統計資料
【交通事故の統計資料】

日本は島国ですが、9カ国に囲まれたオーストリアでは、東西南北に走っている高速使用者は圧倒的に外国人。しかしオーストリア国内で発生した事故はすべてその件数が統計に掲載。この点は日本と大きな相違があると思います。


【廣淵升彦の補足コメント】

運転免許証は、フランスでもその他の西欧諸国でも「一 生使える」ところがほとんどです。逆に「更新を必要とする国」 を探したほうが早いですが、まず無理だと思います。

私の妻は1973年にイギリスで免許証を取りまし た。当時34歳でしたが、なんと「104歳まで有効」の免許証 が送られてきました。ちなみにイギリスでは写真も必要ありませ ん。あくまで「自己申告」を尊重し、「私がこの免許証の 持ち主 です」と宣言すれば、正当な免許証の持ち主と見なされます。

加齢によって「運転するのが危ない」となれば、自ら運転するの をやめるはずだというのが政府の考えで、民衆の英知を尊重し信 頼しているのです。これは英仏独墺などみな同じです。 日本では 高齢者の免許切り替えでは、ほぼ半日拘束してろくでもない授業 と実技を行いますが、すべては警察と運輸官僚のOBを養うため です。ここは1日も早く西欧を見習ってほしいで す。

【特派員情報】

イップ常子さんからの情報でした。