南極横断隊の一員になった猫

2010/02/17

1914年に編成された、シャックルトン卿率いる、英国の帝国南極横断隊の中にマクニーシュという船大工がいました。彼は卿の許可を得て、準備中に出合ったシマ猫と共に乗船。こうして南極横断隊に猫が加わりました。

英国圏で「チッピー」といえば大工の愛称。「ミスター・チッピー」のマクニーシュのそばに常にいたので、猫はオスでしたが、「ミセス・チッピー」と呼ばれていました。器量良しで、賢く、おとなしい上、ネズミ捕りも得意。途中海に飛び込んだり、犬を挑発したりと、個性的なミセス・チッピーは人気者でした。

1915年に入ると氷が押し寄せ、卿は船を捨てることを決意。乗組員に持ちものを最低限に抑えさせ、「生存率が低いから」と猫の銃殺命令を出します。マクニーシュを筆頭に乗組員は皆涙で別れを告げたそうです。

マクニーシュは卿が許せませんでした。それが卿の反感を買い、彼はポーラー・メダルを逃します。それでも1930年に亡くなると、ニュージーランド海軍葬が営まれ、ニュージーランド南極協会により墓標が立てられました。そこに2004年にミセス・チッピーの像が加わります。マクニーシュとミセス・チッピーはもう二度と別れることはないでしょう。

【飼い主と一緒の墓に眠る猫「チッピー」】 (ウエリントンのカローリ・セメタリー)
飼い主と一緒の墓に眠る猫「チッピー」 
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ニュージーランド ウエリントンの
クローディアー真理さんからの情報でした。